法律事務所で働く事務職員が知っておきたい訴訟手続きの流れ

法律事務所で働く事務職員が知っておきたい訴訟手続きの流れ 法律事務所で働く事務職員が知っておきたい訴訟手続きの流れ
最終更新日:2025年11月28日

はじめに

法律事務所の業務の中心の一つである訴訟手続きは、多岐にわたる専門的な過程と厳格な期限管理が必要になります。新しく事務職員になられた方にとっては、専門用語が、実際の業務のどの段階と結びついているのかを理解することが重要です。
本コラムでは、民事訴訟の一般的な流れを追いつつ、各段階で事務職員の皆様が担うべき具体的な役割と、その際の重要事項について解説します。

1.【受任前】相談・依頼から受任までの流れと役割

訴訟手続きは、依頼者からの相談を受けた時点から始まります。この初期段階での事務職員の正確な対応が、その後の手続きの基盤となります。
段階 弁護士の主な業務 事務職員の主な役割 留意事項
相談受付 ・依頼内容の聴取
・見通しの説明
・費用見積もり
・相談日程の調整
・相談票への記入依頼
・関係資料の受領と整理
初回相談の資料は機密性が高いため、受領後の厳重な管理(ファイリング)が必須です。
受任判断・契約 ・受任の意思決定
・委任契約書の作成・締結
・契約書作成補助
・着手金の入金確認と受領証の発行
契約書の日付、依頼者の押印漏れがないかを厳重にチェックします。
受任後初期対応 ・相手方への内容証明郵便(受任通知)の発送準備 ・受任通知の発送(郵便局での手続き)
・案件管理台帳への登録、資料の電子化
受任通知は、相手方に弁護士が代理人となったことを知らせる重要な文書です。
発送記録を確実に残します。

2. 【訴訟開始段階】訴状作成・提出と事務処理

弁護士が訴訟提起を決めた後、事務職員には訴状に関する期限管理と提出作業が求められます。
段階 弁護士の主な業務 事務職員の主な役割 留意事項
訴状・証拠準備 ・訴状のドラフト作成
・裏付けとなる証拠資料の選別
・証拠資料の整理・ナンバリング(番号付け)
・訴状の製本・コピー
証拠資料が多くなるため、紛失防止のため、整理リスト(エクセル等)を作成することが推奨されます。
裁判所への提出 訴状と証拠の裁判所への提出 ・提出書類の最終チェック(誤字脱字、裁判所の管轄確認)
・切手代(郵券)の準備と管理
裁判所に提出する際は、正本と副本の部数、裁判所ごとの細かなルールを必ず確認します。
第一回期日決定 裁判所からの呼出状の受領 第一回口頭弁論期日の確認、カレンダー(または管理システム)への厳格な登録 この期日が訴訟の公式な開始日となります。日程間違いは許されないため、複数人でのチェック体制が必要です。

3. 【審理段階】期日管理と文書の整理

訴訟が始まると、複数の期日が設定され、準備書面の提出と証拠の応酬が繰り返されます。
この段階の事務管理能力が、弁護士の審理対応を直接支えます。
段階 弁護士の主な業務 事務職員の主な役割 留意事項
書面・証拠提出 ・準備書面の作成
・証拠の追加提出
・裁判所、相手方への書面提出(郵送または持参)
・提出記録の管理
提出期限は弁護士間で合意されることが多いため、期限を厳守できるよう提出スケジュールを管理します。
期日対応 ・期日への出廷
・口頭弁論の陳述
・期日結果のメモ整理
・次期日までの宿題事項の確認とリマインド設定
裁判所からの連絡事項(例えば、次期日の持ち物や宿題)を正確に記録し、弁護士に報告します。
証人尋問・鑑定 証人や鑑定人に関する手続きの準備 ・証人候補者との日程調整
・証拠書類の整理と提出手続き
尋問手続は厳格なルールがあるため、弁護士の指示に基づき、手続きの不備がないよう慎重に進めます。

4. 【終結段階】和解・判決と費用精算の役割

訴訟が結審すると、和解(わかい)または判決により事件は終了します。
この最終段階は、費用の精算という重要な事務作業が集中します。
段階 弁護士の主な業務 事務職員の主な役割 留意事項
和解成立・判決 和解調書または判決文の受領 ・和解調書、判決文のファイリング
・案件完了台帳への記録
判決文や和解調書は、今後の執行手続きや時効管理に不可欠な最重要文書であり、原本を厳重に保管します。
費用精算・請求 ・報酬金の算定
・実費(交通費、切手代など)の計算
・タイムチャージ記録の集計
・実費の合計算出
・報酬金の請求書作成、送付
依頼者への請求は迅速かつ正確に行います。実費の過不足がないか、精算の計算根拠を明確に残します。
案件完了処理 依頼者への最終報告 案件のクローズ処理(紙・電子ファイルの封印またはアーカイブ化) 完了後も、一定期間の資料保管義務があるため、事務所のルールに従ってアーカイブ処理を行います。

まとめ

訴訟手続きは、受任から終結まで、多岐にわたる複雑なステップから成り立っています。
事務職員の皆様の役割は、単なる書類作成補助ではなく、期限管理、正確なファイリング、そして弁護士への適切な情報連携を通じて、訴訟全体の流れを円滑に進める「要(かなめ)」です。
こちらの記事を参考に、ご自身の業務が全体のどの部分を担っているのかを意識することで、より高い専門性と責任感を持って業務に臨んでください。

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